2013年1月17日木曜日

目の前の言葉


東京へ出かける。
画廊巡りをする。とある展覧会の会場で作家さんと話す。話すうちに話題はお互いの体調のことになった。
そのなかで、私の線維筋痛症について、作家さんはこのように言った。

  痛みは痛い箇所に疾患があって痛いのではなくて、脳が痛いと感じている、
  痛みの記憶が脳に蓄積されて、さらに痛みの情報が増す、
  痛くない記憶、気持ちのよい記憶を脳に貯めていけば、痛みの記憶が減って、
  痛みが無くなってゆくのではないか、

同じようなことを何かの本やネット上の情報で読んだことがある。
が、実際に人が言葉を声で発していて、それを目の前で聞いていると、内容がずしんと伝わってくる。
まるでお念仏でも聞いているような、助かる気持ちになった。
背景に作品がある気持ちのよい空間にいたから、さらにそう感じたのかもしれない。
話を聞きながら、

  できなかったことをできることにしてゆこう
  それを一つづつ増やしてゆこう

そう思い、頭の中がきらきらと光った。

この日は誘われるままに飲みにゆくことにした。
帰り道の記憶が薄れたり、翌日に痛みが増すことも多いので、外での飲酒はできるだけ控えていたのだが、この日は「よし、試みるぞ」と思った。

そして、「明日は “あれ” を試みるぞ」と、心の中がきらっと光った。

(明日につづく)

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