目の前の言葉
東京へ出かける。
画廊巡りをする。とある展覧会の会場で作家さんと話す。話すうちに話題はお互いの体調のことになった。
そのなかで、私の線維筋痛症について、作家さんはこのように言った。
痛みは痛い箇所に疾患があって痛いのではなくて、脳が痛いと感じている、
痛みの記憶が脳に蓄積されて、さらに痛みの情報が増す、
痛くない記憶、気持ちのよい記憶を脳に貯めていけば、痛みの記憶が減って、
痛みが無くなってゆくのではないか、
同じようなことを何かの本やネット上の情報で読んだことがある。
が、実際に人が言葉を声で発していて、それを目の前で聞いていると、内容がずしんと伝わってくる。
まるでお念仏でも聞いているような、助かる気持ちになった。
背景に作品がある気持ちのよい空間にいたから、さらにそう感じたのかもしれない。
話を聞きながら、
できなかったことをできることにしてゆこう
それを一つづつ増やしてゆこう
そう思い、頭の中がきらきらと光った。
この日は誘われるままに飲みにゆくことにした。
帰り道の記憶が薄れたり、翌日に痛みが増すことも多いので、外での飲酒はできるだけ控えていたのだが、この日は「よし、試みるぞ」と思った。
そして、「明日は “あれ” を試みるぞ」と、心の中がきらっと光った。
(明日につづく)
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